労働災害(労災)による損害賠償請求の裁判では、判決となった場合に、裁判所が労働災害による損害として認めた金額の1割程度が、弁護士費用に相当する損害として認容されます。

ただし、実際にかかった弁護士費用そのものが損害として認容されるわけではありません。
実際の弁護士費用がいくらかかったかにかかわらず、裁判所が労働災害による損害として認めた金額の1割程度と算出されるのです。
弁護士費用がそれ以上かかった場合には、その部分は自己負担となります。

なお、損害賠償の問題を示談交渉によって解決する場合には、弁護士費用の賠償をカットして解決するのが通常です。
示談交渉によって早期に適正な解決が図られるのであれば、弁護士費用の賠償をカットする以上のメリットがあるケースも少なくないでしょう。
また、損害賠償請求の裁判を提起した場合でも、和解によって解決が図られるときには、弁護士費用の一部を賠償する形での合意となるケースも多々ありますが、会社側の責任の有無や過失割合に大きな争いがあるケースなどでは、弁護士費用の賠償をカットして合意することも少なくありません。

また、会社側に対する弁護士費用の請求は、損害賠償の請求を行う際に問題となるものであり、弁護士に労災申請を依頼する場合には、労災申請に関する弁護士費用は、完全に自己負担となるのが原則です。

弁護士に依頼するかどうかは、弁護士費用をかけて依頼するメリットがあるかどうかを検討した上で、判断する必要があります。
弁護士に依頼することで期待される金額的なメリットよりも、弁護士費用の金額の方が高くつく場合には、費用倒れとなりますので依頼しない方がよいでしょう。
逆に、弁護士費用の金額よりも、弁護士に依頼することで期待される金額的なメリットの方が上回る場合には、積極的にご依頼を検討されるのがよいでしょう。

労災に関するQ&A一覧

No ご質問
1 労働災害とは?
2 労働災害の被害に遭った場合に受けられる補償は?
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4 労災保険の申請に期限はありますか?
5 安全配慮義務とは?
6 安全配慮義務の具体的な内容は?
7 どのような場合に安全配慮義務違反と認められますか?
8 労災保険の給付内容は?
9 労災保険の給付を受けた場合でも、さらに会社に対して損害賠償を請求することはできますか?
10 会社が労災保険の申請をしてくれない場合は、どうすればよいですか?
11 後遺障害とは?
12 障害等級とは?
13 症状固定とは?
14 使用者責任とは?
15 どのような損害について賠償請求できるのか?
16 休業損害(休業補償)とは?
17 後遺障害による逸失利益とは?
18 後遺障害による逸失利益の計算方法は?
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20 労働能力喪失期間とは?
21 ライプニッツ係数とは?
22 死亡による逸失利益とは?
23 稼働部分の死亡逸失利益の計算方法は?
24 年金部分の死亡逸失利益の計算方法は?
25 生活費控除率とは?
26 就労可能年数とは?
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28 傷害慰謝料とは?
29 後遺障害慰謝料とは?
30 死亡慰謝料とは?
31 会社側に弁護士費用を請求できますか?
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33 労働災害(労災)の問題を弁護士に依頼するメリットは?
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42 他の従業員の過失で怪我をしたら、損害賠償請求はどうなりますか?
43 退職しないで労災保険の申請や損害賠償請求をすることはできますか?