クレーンによる労災事故の事例

クレーンによる労災事故は、建設業の現場や製造業の工場等で数多く発生しています。
具体的な事例としては、吊り荷の落下による労災事故がかなりの割合を占めます。
また、ジブが破損・倒壊する労災事故、支柱・脚等が倒壊する労災事故、機体が転倒・転落する労災事故、玉掛け作業中に吊り荷と一緒に手指を吊られて切断する労災事故、クレーンで移動中の吊り荷と激突する労災事故、移動式クレーンの移動中にひかれる労災事故、などが発生しています。

労災申請の手続

労災事故の被害に遭った場合には、まずは労災申請を行うようにしましょう。
労災保険による補償を受けるためには、労災申請の手続をとることが必要です。
労災申請の手続は、被害者が所属する事業所の所在地を管轄する労働基準監督署に対して行うのですが、会社が労災申請の手続に非協力的なケースもあります。
そのような場合には、労災事故に詳しい弁護士にまずはご相談いただくことをお勧めいたします。

労災保険による補償

労災保険の給付には、次のようなものがあります。

【怪我に対する補償】
治療費(療養補償給付)
休業損害(休業補償給付) など

【後遺障害に対する補償】
後遺障害逸失利益(障害補償給付)
介護費(介護保障給付) など

【死亡に対する補償】
死亡逸失利益(遺族補償給付)
葬儀費用(葬祭給付) など

会社に対する損害賠償請求

労災保険による補償では、被った損害が全部補償されるわけではなく、損害賠償のごく一部が填補されるものに過ぎません。
特に、精神的苦痛に対する損害賠償である慰謝料は、労災保険では一切補償されません。
十分な被害の救済を受けるためには、会社に対する損害賠償請求を検討する必要があります。
この点、労災事故の発生について、会社に安全配慮義務の違反または使用者責任が成立する場合には、会社に対して慰謝料・損害賠償を請求することが可能です。

【安全配慮義務の違反】
安全配慮義務とは、従業員が安全で健康に働けるように配慮すべき会社の義務のことを言います(労働契約法5条)。
労働安全衛生法・労働安全衛生規則に違反する事実があるのであれば、会社の安全配慮義務違反が成立することが多いです。

【使用者責任】
加害者が業務中に労災事故を発生させた場合には、加害者本人のみならず、加害者を使用(雇用)する勤務先の会社も損害賠償責任を負います。
これを使用者責任と言います(民法715条)。

弁護士にご相談ください

クレーンによる労災事故の被害についてお困りの方は、専門家である弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
当事務所では、労災事故の事案に関する取扱経験・解決実績が豊富にございます。
ぜひ一度、お気軽に当事務所にご相談いただければと存じます。

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