1 足の切断事故が発生してしまうケース

足の切断事故が発生してしまう主なケースを整理すると、以下の通りになります。
〇機械による挟まれ・巻き込まれ (製造業)
・プレス機械の金型調整作業中に機械が誤作動して足が挟まれる。
・安全装置を無効化した状態で作業を行い、稼働中のコンベアや搬送ラインに足が巻き込まれる。
〇重機との衝突(轢く、挟む)、重量物の落下(建設・土木業)
・クレーンやパワーショベルが旋回・移動中に人を巻き込み衝突する。
・重機の死角に作業者が入ってしまい、運転手から見えずに衝突する。
・クレーンで吊り上げた荷物が落下し、足に直撃する。
〇運搬機械による挟まれ (物流・運輸業)
・フォークリフトと壁や設備との間に足を挟まれる。
2 足の切断事故による後遺障害について
労災事故における足の切断事故による後遺障害は、下肢の「欠損障害」として、切断箇所などに応じて1級〜7級の重い後遺障害等級が認定されます。
等級と障害の程度・内容を整理すると、以下の通りになります。
| 1級8号 | 両下肢をひざ関節以上で失ったもの |
| 2級4号 | 両下肢を足関節以上で失ったもの |
| 4級5号 | 1下肢をひざ関節以上で失ったもの |
| 4級7号 | 両足をリスフラン関節以上で失ったもの |
| 5級3号 | 1下肢を足関節以上で失ったもの |
| 7級8号 | 1足をリスフラン関節(※)以上で失ったもの |
※リスフラン関節…足の甲の中央あたり(中足骨と足根骨の間)にある関節
3 足の切断事故が労災認定されるまでの流れ
労災で足の切断事故が発生し、労災として認定・支給されるまでの一般的な流れは以下の通りです。
①事故発生
搬送先・入院先の病院では、「仕事中の事故である」ことを必ず伝え、健康保険証は使用しません。
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②労災保険の請求(書類作成と提出)
療養給付(治療費)や休業給付など、請求する給付内容に応じて書類を作成し、労働基準監督署長に提出します。
多くの場合は会社が手続きを代行しますが、会社が協力しない場合は、本人が直接提出します。
↓
③労働基準監督署による調査
請求書類が受理されると、労働基準監督署が現場調査、医師への聞き取り、被災労働者との面談を行い、業務上の災害かどうかを審査します。
↓
④認定と給付の決定
調査の結果、労災と認められれば支給決定がなされます。
申請書類が受理されてから決定までの期間は、概ね1か月~3か月程度です。
ただし、内容が複雑な場合は、それ以上の期間を要することもあります。
支給決定の連絡は、「支給決定通知書」が郵送され、指定の口座に労災保険金が振り込まれます。
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⑤その後の手続き(症状固定時など)
障害の程度(切断部位など)に基づき、1級から7級の後遺障害等級の認定を受けることで給付が受けられます。
4 足の切断が労災認定される条件とは?
足の切断が労災として認定されるためには、主に「業務遂行性」と「業務起因性」の2つの条件を満たす必要があります。
業務遂行性とは、労働契約に基づき、事業主の指揮命令下(支配下)にある状態で発生したことという条件です。
認められる例としては、作業中の事故、待機中の事故、事業場内での休憩中における設備の不備による事故があります。
業務起因性とは、業務と負傷の間に因果関係があることを指します。
要するに業務上の作業が原因で足の切断に至ったのかということです。
例えば機械作業をしている際の事故であれば、業務起因性は問題なく認められます。
一方で、本人の私的行為、業務から逸脱した行為等は、業務起因性を否定する事情になりえるので、注意が必要です。
5 足の切断事故によって会社に損害賠償をする場合
労災で足の切断事故が発生した場合において、休業損害や逸失利益の不足分や、労災保険ではカバーされない慰謝料(入通院慰謝料や後遺障害慰謝料)は、会社の安全配慮義務違反(または不法行為)が認められれば、会社に対して請求することができます。
例えば、会社が何らの安全対策も取らないまま作業をさせ、結果として足を切断するような重大な事故が起きた場合には、会社の安全配慮義務違反が認められる可能性があります。
そして、足の切断という重大な労災事故では、会社に対する損害賠償請求によって、数百万円~数千万円増額することも少なくありません。
会社が責任を認めない場合や、請求額が大きくなる場合は、早めに労災問題に強い弁護士に相談し、具体的な対応を検討するとよいでしょう。
6 労働災害でお悩みの方は当事務所にご相談ください
足の切断という重大な労災事故に遭われた方は、その後の生活に大きな支障が生じてしまいます。
その支障に応じた適正な補償を受けるためには、まずは適正な後遺障害等級の認定を受けることが大切です。
そして、会社に対して損害賠償をする場面では、請求額も高額になる傾向があるため、会社と大きく争う可能性があり、会社の安全配慮義務などの専門知識が必要となります。
そのため、労災の後遺障害等級認定や損害賠償請求の専門家である弁護士のサポートは不可欠といえます。
足の切断という重大な労災事故に遭われた方は、まずは一度当事務所にご相談ください。
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